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March 10, 2021

エヴァと僕

『シン・エヴァンゲリオン』を観てきた。 とっても良かった。詳しくは何も書けないんだけど本当に良かった。

僕はTVシリーズをリアルタイムで観た世代でものすごく影響を受けている。 高校を卒業して名古屋で一人暮らしを始めたばかりの頃に、東京にいた友人の平野くんから「すごいアニメが始まってる。観ろ」って電話が来たのがきっかけだった。たしか名古屋は東京より1週遅れで放送していたので無事に第一話から観ることができた。 もちろんすごくハマった。 毎週、放送の翌日に電話をして互いに感想を言い合った。今考えると1週間ずれているので一話分ずれててもどかしかったけど、とても楽しかった。 大須の雑貨屋みたいなところでエヴァのCDも買った。 大きな月をバックに佇む綾波レイのジャケットに惹かれて衝動買いだった。 カラオケではFly Me to the Moonを必ず歌ったがフランクシナトラの曲だと知ったのはだいぶ後になってからだ。

旧劇場版も映画館で観た。 名古屋の今はもうなくなった大きな映画館だった。名鉄デパートの最上階とかにあって、信じられないくらい大きなスクリーンがかかっていた。 そんな巨大な映画館が満席だった。 あんなに人が大勢いる映画館で映画を観たのは後にも先にもこの一回きりだ。 上映中にトイレ休憩があり席を取られないかバッグを置いて心配しながらトイレに行った。立ち見の人が通路にも溢れていたからだけど。 隣の席の中学生くらいの女の子二人組が、シンジがアスカを見舞う場面について「意味わかんない」と大きな声で言っていたのも記憶に残っている。

最新作を観て古い記憶が一気に蘇った。 大袈裟ではなくエヴァは青春だった。 僕の青春のある時期がエヴァ一色だったからそう言って差し支えないだろう。 同郷の友人との電話は、初めての一人暮らしの寂しさを紛らわせてくれた。 エヴァの記憶は若い頃の思い出とセットになっている。

まさかそんな作品の最後をこの目で観ることができるとは思ってもいなかった。 完結せずに何度も作り直されたりするんだろうと疑っていたがそうではなかった。 今作のキャッチコピーは「さらば全てのエヴァンゲリオン」だ。 それは観客にとってのエヴァとの「さよなら」という意味でもあるのだろう。 僕の中でエヴァという青春の1ページにおとしまえをつけることができたのだ。